札幌の37歳FWジェイはなぜ日本へ?「以前よりいい人間になった」
Why JAPAN? 私が日本でプレーする理由
北海道コンサドーレ札幌 ジェイ(1)
今年27シーズン目を迎えているJリーグは、現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになっている。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、日本での生活をどう感じているのか? この連載では、彼らの本音に迫る。
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「僕は本当に、ここでフットボールと日々の生活を楽しんでいるんだ。人間としてもすごく成長できたと思う」
北海道コンサドーレ札幌のジェイ・ボスロイドは2015年に日本への移籍を決めた時を振り返り、そう言った。いつもどおり、声はちょっと高く、口調はさっぱりとしている。そして質問に答え終えた時によくそうするように、両眉と口角を上げてにっこりと微笑み、少しだけ肩をすくめた。偽りのないことを示すように。
日本でのプレーについて語るジェイ 2019年8月初頭の札幌は、当地にしては異常な熱波に見舞われていた。インタビューの前の練習は陽射しが容赦なく照らすなかで行なわれ、通訳のハリー・ビッソルは「信じらない陽気だ」と苦笑いし、練習を終えたジェイも「暑いね」と言って汗を拭った。
そしてこちらが「いつも試合後に話しているけど、やっときちんと膝を突き合わせて話すことができる。とても楽しみにしている」と伝えると、「こちらこそ」と右手を差し出した。そして短時間で身支度を整えた彼は、約束の時間に登場。まるで日本人みたいに。それも彼が言う「成長」のひとつなのかもしれない。
初来日から4年半が過ぎ、現在37歳のストライカーは名実ともに、Jリーグ史上もっとも成功したイングランド人選手と認知されている。フットボール発祥の地の代表で1キャップを刻んだ彼は、日本で、同胞の偉大な先達ギャリー・リネカーが残したゴール数を優に超え、この年齢になってもネットを揺らし続けている。
日本で5シーズン目の今季は、本稿執筆時でリーグ戦8ゴール。得点ランキングでは13位だが、1ゴールに要したのは平均約134分で、これは上位のなかではエジガル・ジュニオ(横浜F・マリノス)、アンデルソン・ロペス(札幌)に次ぐ数字だ。また今季を含むJ1での4シーズン平均で、すでに二桁得点を記録している。近年のJ1で屈指の継続性を誇るストライカーと言える。
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