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永井秀樹が明かす突然の監督就任の裏側。
ヴェルディ再建へ腹をくくった (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

「ひとつだけ、『今度の日曜日(21日)からクラブユース(日本クラブユースサッカー選手権。高校生年代のクラブチーム日本一を決める大会)が始まります。可能ならば、クラブユースが終わってからでも大丈夫かどうか、羽生社長と相談させていただきたい』とお願いして、その日は話を持ち帰った」(永井)

 現役引退翌年の2017シーズン、永井は、GM補佐と同時にヴェルディユース監督に就任し、指導者としての第一歩を踏んだ。

 ヴェルディ黄金期を知るレジェンドの一人であり、かつ45歳まで現役を続けた永井。近年ヴェルディをピッチで支えた最大の功労者でもあることからも、将来的にトップチームの監督を任せられることは周囲の期待するところであり、それを踏まえてのユース監督就任だった。

 ユース監督の就任にあたり、永井は「ヴェルディユースを3年で日本一にし、ヴェルディのプレーモデルを確立する」という目標を立てた。

 初年度(2017)のクラブユース選手権、ヴェルディユースは関東予選で敗退。2年目(2018)は関東予選を突破して本戦出場しベスト16に進出。そして3年計画最後の今季(2019)、1年目から指導してきた選手も最上級生になり、目指す理想の形も機能し始めた。関東予選も順当に突破し、ヴェルディユースは2011年以来8年ぶりの日本一奪還に向けて最終調整に入った。

 そんな矢先でのトップチーム監督の打診だった。

「ブラジル・フランメンゴでの海外研修を終えてS級ライセンスも取れた。自分の中での勝手な想像としては、トップチームの成績次第では『夏のクラブユースが、ユースの選手たちと一緒に戦える最後の舞台になるかもしれない』という感覚もあった。『よっしゃ、みんなで日本一だ!』と気運も高まっていただけに、そこは相談させていただけたら、と思って......」(永井)

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