伊藤翔は何かを変えたくて移籍を決意
「鹿島には勝ち方を知りに来た」 (2ページ目)
今季、横浜F・マリノスから鹿島アントラーズに加入した伊藤翔。
鹿島に移籍してすぐ、得点という形でチームに貢献した伊藤翔
30歳のベテランFWは、2月19日、鹿島で初めての公式戦となるACLプレーオフ、ニューカッスル・ジェッツ戦で先制点を決めると、2月23日の大分トリニータとのリーグ開幕戦で同点弾(試合は1-2で敗れる)、つづく3月1日。第2節川崎フロンターレ戦でもおなじく同点弾をマーク。3月12日ACL山東魯能戦で2ゴールを決めると、3月17日リーグ第4節、北海道コンサドーレ札幌戦でも2ゴール。出場6試合で7得点とその存在感を示した。
しかし、その後も先発出場したが、得点から遠ざかる。チームもFC東京、横浜F・マリノスに敗れ、ACLでも格下相手に2連敗(慶南戦とジョホール・ダルル・タクジム戦)と苦しい時期を迎えた。伊藤自身も膝に痛みを抱え、先発から外れた試合もある。そして、迎えたACLグループリーグ最終戦、相手の山東魯能に先制を許すも、迎えた後半、18分から途中出場した伊藤が2得点を決めてみせた。
――移籍加入後、ゴールを量産し、良いスタートを切れたという手ごたえはありますか?
「個人的にはもちろん、良かったですけど、開幕戦も落としたし.........。まだいまひとつ乗り切れていないという感じはちょっとありますね。まあ、でもみんな僕を見てくれるので、FWとしてはありがたいですよ。FWは球を触らないと仕事ができないから(笑)」
――2-1で敗れたマリノス戦後、土居選手が「もっといい形で翔君にボールを触らせてあげたい」と話していました。
「まあ敵もプロだから、毎試合、常にいい形というのは難しい。試合によっては、守備に追われることもあります。でも、そこで僕にボールが来たときは、時間を作ったりして、後ろの選手を休ませるプレーもしなくちゃいけない。ただ、これは練習でもやっていますけど、ビルドアップには改善の余地があると感じています」
――鹿島アントラーズというのは、どういうチームとして認識していましたか?
「強くて伝統のあるチーム。マリノスにいたときは、唯一J2に落ちていないチーム同士という意識もありました。何回も対戦しましたけど、鹿島は粘り強いし、たとえこちらがリードしていたとしても、最後まで気が抜けない。そういう嫌な相手でしたね。もちろんスキルのある選手がいるだけでなく、すごくサッカーを知っているというか、ゲームをコントロールするうまさはほかのチームよりもある。選手やチームだけでなく、会社として、クラブとして、『勝利』というのが、強く刷り込まれているんだというのは、外から見ていても感じていましたし、中に入ってみて、改めて強く感じました」
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