「イニエスタ不在」というレベルではない。漏れてきた神戸の危機的状況 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 山口は、自らを罰するように言った。

 4-1で敗れた神戸は、順位をひとつ下げ、15位まで転落している。リージョが"辞任"という形で去り、吉田孝行監督体制になって、惨憺たる7連敗だ。選手たちは自主的に打開策に向き合い、決起集会も行なっている。"建白書"のような形で、コーチングスタッフとの話し合いも持った。しかし、選手発信でできることは限られている。

「勝利をつかむことができたら、チームに勇気と自信を与えるはず。この状況を抜け出すには......」

 ある選手は言葉を絞り出した。真っ暗なトンネルで、今は進むべき方向も見えない。たとえどんな勝利であっても、彼らは小さな灯りを求めている。

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