ガンバ大阪が抱える「闇」。低空飛行の原因を探る (2ページ目)
開幕以来、この日の大分戦まで2勝5敗。12得点16失点で15位。
一方、大分は3位。現有戦力を見渡し、対戦相手との力関係を考えれば「攻撃的サッカー」を押し通すスタイルには至らないのは、仕方がないことだ。三浦弦太も「自分たちのスタイルでやれればいいと思うけど、そのレベルにいけていないので、相手に合わせてやっていると思う」と、すっきりしない表情を見せつつも納得はしている。
J2昇格組のチームに、攻撃的スタイルの看板を下ろし、引いて対戦うことに忸怩たる思いを持っている選手もいるだろうが、順位が現実である。上位チームに勝って自信を回復し、勝っていく中でスタイルを確立していくやり方もあるが、この日のように勝ち切れない中では、それを見い出すことはむずかしい。
大分戦も含めて、宮本監督は勝つためにゲームプランを考えているが、思いどおりに進まない。しかし、低空飛行の原因は現場だけにあるのだろうか。
大分戦のガンバのスタメンの平均年齢は30.91歳だった。大分は26.55歳である。サッカーは年齢でするものではないが、これを見て今後を憂慮する人は多いだろう。
高齢化による世代交代がうまく進んでいないことは明確だ。
たとえば、ボランチの遠藤と今野について前節の浦和戦後、宮本監督は「ガンバがここ数年抱えている、どうしていくんだという部分だと思います」と述べていた。たしかに、遠藤と今野の後継者問題は昨日や今日に起きたことではなく、西野朗監督が退任した時からの課題だった。それは、現場というよりもそれを見て見ぬふりをしてきたフロントの責任が大きい。
本来であれば、遠藤と今野が日本代表でプレーしているうちに、その後釜となる選手を獲得し、後継者を育てるべきだった。しかし、このすばらしいお手本を活かすことができていない。鹿島のように持続的視点でチーム作りを考えることができず、なおかつ後継者となる優秀な選手を獲得するノウハウやスカウティング網、そしてそれらを編成する「目」がガンバにはなかったのだ。
その結果、今も年長のふたりに頼らざるを得ない状況になっている。
チーム編成が歪んだことで、チーム内はヒリヒリするような競争力を失っている。人間は追い立てられるものがなければ、その場に慣れて、成長するのが難しくなるものだ。
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