アジア王者相手にドロー。
ジュビロ磐田に浮上のきっかけは見えたのか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara/Getty Images

 勝ち点1を得るにとどまったことを悔やむべき試合だったのか。あるいは、勝ち点1を確保できたことを喜ぶべき試合だったのか。

「(昨季の)アジアチャンピオンのチームであり、(今季も)調子が上がってきたチームに対して、よく最少失点で乗り切ってくれた。あれだけクオリティの高いボール回しと、個の突破を見せた相手に対して、粘り強く守ることができた」

 試合後、ジュビロ磐田の名波浩監督が口にしたその言葉、そして、その時の表情からは、磐田にとってこの試合が後者であったことがうかがえた。満足はできないが、納得はできる試合、といったところだろうか。

 J1第5節、磐田はホームで鹿島アントラーズと対戦し、引き分けで勝ち点1ずつを分け合った。後半開始直後に磐田が先制し、終盤に鹿島が追いついての1-1である。

 対戦相手の鹿島は昨季、AFCチャンピオンズリーグを制し、J1でも3位という成績を残した。対照的にJ1で16位に終わり、J1参入プレーオフでギリギリの残留を勝ち取った磐田から見れば、明らかに"実力上位"のチームである。その認識が当事者にもあったことは、指揮官のコメントから読み取れる。

「格上」の鹿島相手に先制した磐田だったが...「格上」の鹿島相手に先制した磐田だったが... だからこそ、納得の勝ち点1だったわけだが、客観的に試合展開を振り返れば、やはりもったいない試合だったという印象は拭えない。

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