2019.03.18

イニエスタが清水戦で真骨頂。
すべてのパスはメッセージ付き

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya photo by KYODO

 Jリーグ第4節、連勝中のヴィッセル神戸は、ここ2試合で9失点の清水エスパルスをホームに迎えた。

 試合は前半、清水の前線からのプレスと早い寄せに神戸が苦しむ展開となった。清水はカウンターから何度もチャンスを作り、神戸のゴールを襲う。

 前半を0-0で折り返すと、均衡を破ったのはアンドレス・イニエスタだった。後半4分、左サイドをゴール近くまで侵入すると、右足の裏で仕掛けながら、右足のアウトで折り返す。そのこぼれ球をルーカス・ポドルスキが決めた。まるでフットサルのプレーを見ているようだった。

日本デビューとなったセルジ・サンペールと握手をかわずアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸) その後、清水はエウシーニョ、石毛秀樹、鄭大世を次々に投入して同点を狙う。すると後半43分、相手のクリアミスをエウシーニョが鄭大世につなぎ、それをゴールの左隅に決めて引き分けに持ち込んだ。

 この試合の注目はやはりイニエスタだった。前半は清水のプレスに、パスミスやパスカットされるシーンもあったが、こういう試合展開や相手がゴール前を固めてくる試合は、バルセロナで何百試合も経験済みだろう。ポドルスキが相手に倒され、主審に抗議するなかで、イニエスタは「どうやって崩そうかな」と試合を楽しんでいるようにさえ見えた。

 ボールを運ぶ時は、相手とボールの間に体を入れ、奪いにくればファウルをもらう。狭いスペースならダイレクトでパス交換をする。相手にとって、これほどイヤな選手はいない。

 ゴールには結びつかなかったが、圧巻だったのはそのメッセージを込めたパスだ。