5人の識者が渾身の大予想。
今シーズンの「J1全順位」はこうなる

  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

川崎か鹿島か、優勝の行方はACL次第
「穴」が名古屋、清水、磐田か

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位 鹿島アントラーズ
2位 川崎フロンターレ
3位 名古屋グランパス
4位 ヴィッセル神戸
5位 浦和レッズ
6位 セレッソ大阪
7位 FC東京
8位 ガンバ大阪
9位 ジュビロ磐田
10位 北海道コンサドーレ札幌
11位 清水エスパルス
12位 ベガルタ仙台
13位 横浜F・マリノス
14位 湘南ベルマーレ
15位 サガン鳥栖
16位 サンフレッチェ広島
17位 松本山雅FC
18位 大分トリニータ

 一昨季は、いい意味でのクラブ間格差が生まれ始めたかに見えたJ1も、昨季は再び、世界的にも稀(まれ)な大混戦リーグに逆戻り。その流れは、今季も続いている。

 優勝争いは、川崎、鹿島の"人気馬"が中心になるだろう。安定的な強さという点で、2強が頭ひとつ抜けている。いわば、"連軸"としての信頼性は高い。

 ポイントは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)との両立。昨季の川崎は、幸か不幸かACLでグループリーグ敗退に終わり、優勝した鹿島との負荷の違いは、とくにシーズン終盤で大きかった。おそらく一般的な予想は、川崎が"1番人気"だろうが、今季はACLに対しての川崎の本気度が高くなる(より勝ち進む)と予想し、J1での予想順位は鹿島を上に取った。

 とはいえ、ACLの負担という点では鹿島も同じで、2強を出し抜いて優勝をさらうクラブが現れても不思議はない。優勝の可能性があるのは上位予想の5クラブと見る。

"穴馬"を挙げるなら、東海地区の3クラブ。磐田は昨季、主力の相次ぐ故障に泣かされたが、本来はもっと力があり、清水は若い選手が多く、伸びしろを感じさせる。ともに順位のうえでは中位に予想したが、躍進候補と見ている。

 もうひとつの名古屋は、とにもかくにもどう転ぶかわからない。昨季も一時は驚異的な強さを見せており、降格危機から一転、今季は優勝すらありうるのではないかと思う一方で、あっけないほどの脆(もろ)さも同居し、昨季と同じ轍を踏む可能性も十分。順位予想の難しさを象徴する存在だ。

 残留争いは、優勝争い以上に予想が難しい。昇格組の2クラブはやや力が落ちるだろうが、一歩間違えば、降格しても不思議はないクラブがほとんどだ。

 一昨季の4位から昨季は17位まで転落した柏レイソルのようなケースも決して珍しくなく、過去には、G大阪やC大阪が同様の憂き目にあっている。その例にならえば、昨季望外の成績を残した広島、札幌に危うさを感じる。

 その他、個人的な注目クラブを挙げるなら、神戸とC大阪。豪華補強の"ミニ・バルサ"が評判倒れに終われば、リーグ全体の盛り上がりに水を差しかねず、その意味でも神戸には優勝争いに加わってほしい。

 また、C大阪のミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督は、次々に主力が引き抜かれた東京ヴェルディを、昨季は昇格目前まで導いた。その卓越した手腕が初のJ1でどれだけ発揮されるのか、楽しみにしている。

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