5人の識者が渾身の大予想。
今シーズンの「J1全順位」はこうなる

  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

川崎、鹿島、浦和の「3強」に対抗する神戸
伏兵はロティーナ率いるC大阪か

小宮良之氏(スポーツライター)

1位 川崎フロンターレ
2位 ヴィッセル神戸
3位 鹿島アントラーズ
4位 浦和レッズ
5位 セレッソ大阪
6位 北海道コンサドーレ札幌
7位 ガンバ大阪
8位 名古屋グランパス
9位 サンフレッチェ広島
10位 FC東京
11位 ジュビロ磐田
12位 清水エスパルス
13位 横浜F・マリノス
14位 湘南ベルマーレ
15位 サガン鳥栖
16位 大分トリニータ
17位 ベガルタ仙台
18位 松本山雅FC

 J1リーグ3連覇を狙って、元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン(インテルナシオナル/ブラジル→)を補強した川崎、新鋭FW安部裕葵の飛躍も期待されるアジア王者の鹿島、そしてFW杉本健勇(C大阪→)、DF鈴木大輔(柏レイソル→)などを加えて戦力的に他を凌駕する浦和。この3チームが、優勝争いの中心になる公算は高い。不安要素があるとすれば、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場の負担だけではないだろうか。

 対抗馬としては、神戸だ。

 ファン・マヌエル・リージョ監督が率い、神戸は確実に変化しつつある。控え選手までが「サッカーがうまくなっている気がする」と心酔する細やかで熱い指導で、覇気を失っていたFWルーカス・ポドルスキの士気も回復。高いインテンシティの練習によって、"強さの濃度"を上げている印象だ。

「日本人が信じるよりも、私は日本人の可能性を信じているよ」

 リージョ監督は昨季最終節前にそう語っていたが、プレーの質は大きく向上している。指揮官にとっては、MF藤田直之(→C大阪)、MF伊野波雅彦(→横浜FC)の移籍は痛手で、獲得に動いたウルグアイ代表DFマルティン・カセレス(ユベントス/イタリア)を逃したのもマイナスだが、元スペイン代表FWダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティ/アメリカ→)の加入は大きい。MFアンドレス・イニエスタが健在なら、上位を争うはずだ。

 伏兵としては、C大阪を挙げたい。スペインの名将ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、攻守のバランスを見つける達人。もともとサイドアタックの信奉者で、(前任の)東京ヴェルディ監督時代は選手の能力的に断念したが、たとえばMF水沼宏太のクロスからFW都倉賢(札幌→)のヘディングはひとつの形になるのではないか。

 順位はつけたが、"2位が15位でもおかしくない"というのが実状だろう。「群雄割拠」もしくは「下克上」という様相のリーグになる。各チームのレベルは拮抗し、何が起こってもおかしくはない。

 個々の選手では、FW北川航也(清水)、MF橋本拳人(東京)、MF田口泰士(磐田)、MF梅崎司(湘南)らに注目。日本代表もうかがう選手たちの奮起次第で、実力伯仲のリーグはさらに混迷を深めそうだ。

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