2019.01.14

高校3年間の集大成。スタイルを貫いた
瀬戸内の戦いは清々しかった

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 快進撃を続ける大会初出場の瀬戸内(広島県)は、全国高校サッカー選手権・準決勝の大舞台でも、ビルドアップを大事にするポゼッションスタイルを変えることはなかった。

 しかし、ハイプレスを持ち味とする流通経済大柏(千葉県)にとって、そのスタイルはまさに、おあつらえ向き。瀬戸内のパス回しを強烈なプレスでつぶして、素早く攻撃へと転じていく。

初出場ながらベスト4進出を果たした広島県代表の瀬戸内 開始4分の先制点も、中盤でのボール奪取からMF熊澤和希(3年)がドリブルで持ち上がり、絶妙なスルーパスを供給。これをFW岡本竜(3年)が落ち着いて蹴りこんで生まれたもの。10分には右サイドを崩して、1年生ボランチの藤井海和が追加点を奪取した。

 前半終了間際には得意のセットプレーから、大会ナンバーワンCBの関川郁万(いくま/3年)が豪快なヘッドを突き刺して、3−0。前半で試合を決定づけた。

 勝敗を分けたのは、やはり両者のスタイルのかみ合わせだろう。瀬戸内のキャプテンを務めるMF佐々木達也(3年)は戦前、「圧力が来ると思うが、ボールに背を向けずに自信を持って、もらいにいく姿勢を見せたい」と話していた。

 その言葉どおりに瀬戸内は、GKを使いながら後方からパスをつないで、流経大柏の隙をうかがった。しかし、最終ラインでは回せても、ボールホルダーに対して複数人で素早く寄せてくる流経大柏のプレスをかいくぐれず、中盤から前にパスを通すことができない。ハーフウェーライン付近でボールを奪われ、鋭いアタックを次々に浴びた。

「相手は後ろから回してくるスタイルでしたし、こっちが点を獲ってからも、そのサッカーを変えなかったので、やりやすかった」

 関川が語ったように、瀬戸内のスタイルは流経大柏のやり方にハマりやすいサッカーだった。彼らは失点を重ねても、そのスタイルを貫き通し、後半にも2点を奪われ、0−5と大敗を喫している。