2018.10.16

自慢の両翼がキレキレで大暴れ。
マリノス、17年ぶりの戴冠なるか

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 潮目が変わったのは、62分のミスからだった。近くの味方につなげようとした飯倉大樹のゴールキックが土居聖真に奪われて、そのままゴールを許してしまう。それまで隙のない戦いを見せていた横浜F・マリノスが一気に、窮地に追い込まれた瞬間だった。

キレのあるサイド攻撃で存在感を示した仲川輝人 10月27日に埼玉スタジアム2002で開かれるファイナルの舞台をかけて、横浜FMはホームで鹿島アントラーズとのルヴァンカップ準決勝・第2戦を戦った。

 後半アディショナルタイムに同点に追いつかれながら、その2分後にウーゴ・ヴィエイラが決勝ゴールを叩き込むという劇的な展開(2−1)でアウェーでの第1戦をモノにしていた横浜FMは、この試合を優位な状況で迎えていた。

 ふたつのアウェーゴールを手にしていたため、勝つか引き分けならもちろん、0-1の敗戦でも、優勝を成し遂げた2001年以来となる決勝進出が決まる。そのため手堅い戦いを演じるかと思いきや、攻撃スタイルを標榜するこのチームは、立ち上がりから積極的な戦いを展開。どこか不安定だった鹿島守備陣の隙を突き、果敢にゴールに迫っていく。

 20分に天野純のシュートのこぼれ球をウーゴ・ヴィエイラが押し込んで先制に成功すると、34分には左サイドを見事な連係で崩して、仲川輝人が追加点を奪取。この時点で2戦合計4-1とし、決勝進出はほぼ決まったかに思われた。

 ところが、そう簡単に事が進まないのがノックアウト方式のカップ戦の面白さだろう。後半に入ると「決勝のことが頭によぎったというか、守りに入ってしまった」(山中亮輔)横浜FMに対し、鹿島はリスクを負った攻撃を展開。それでも横浜FMは何とか耐えしのいでいたものの、冒頭のミスが試合の行方をわからなくした。

 ここからは、完全に鹿島のペースだった。70分に左サイドを完全に崩して途中出場のセルジーニョが同点ゴールをマーク。この時点でトータルスコアは3-4。鹿島がもう1点を奪えば、アウェーゴールの数で横浜FMを上回り、決勝進出が決まる。