あえて言う。国内最高のSB、車屋紳太郎と西大伍は「海外組」に勝る (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

 Jリーグで昨季、最も両SBが活躍するサッカーを見せたのが、優勝した川崎フロンターレだ。そのサッカーを語ろうとすれば、まずその短めのパスワークが取り沙汰される。「パスをつなぐサッカー」として括(くく)られる。両SB、左の車屋紳太郎と右のエウシーニョの存在意義は後回しになる。

 だが、これは本来、パスをつなぐサッカーとセットで語られるべきモノだ。彼らなしでは"川崎らしさ"は生まれない。優勝はなかったと断言できる。2人そろってJリーグのベスト11を受賞したことは、きわめて妥当だと言える。

昨年末の東アジアE-1選手権でも活躍した車屋紳太郎。photo by Fujita Masato昨年末の東アジアE-1選手権でも活躍した車屋紳太郎。photo by Fujita Masato 昨年10月のキリンチャレンジカップ、ニュージーランドとハイチと対戦した際に日本代表入りした車屋は、途中出場したハイチ戦で、敗戦を免れる同点ゴールをアシストした。

 同12月に行なわれた東アジアE-1選手権でも、3試合中2試合に先発。長友を追いかける存在であることをアピールした。

 長友の利き足は右。対する車屋は左だ。

 また、右SBと左SBの両方をこなして、代表の控えに回っている酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)は右利き。左SBでプレーするときは、左利きのような構えでボールを持つことができる器用さを売りにするが、その前で構える乾貴士(エイバル/スペイン)、原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ)は、いずれも右利きだ。

 左サイドで構える2人のうち、どちらか1人は左利きが望ましいという一般論に照らせば、酒井高、さらには長友より、車屋は優位な立場にいることになる。

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