スペインには人材がゴロゴロ。
J2を席巻するリーガ出身の監督&選手

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 Jリーグに在籍する外国人選手の8割近くがブラジル人と韓国人で占められている。このような偏(かたよ)りは欧州のトップリーグでは見受けられない。欧州ではそれぞれのクラブが特定の代理人に頼らず、独自にマーケットを開拓し、有力な監督や選手を連れてきているからだろう。

 その中で、J2では違った流れが生まれている。ラ・リーガ(スペインリーグ)の監督や選手(主にスペイン人)が増え、着実に成果を上げつつある。

 ラ・リーガはFCバルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードが強さを誇る。リオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、アントワーヌ・グリーズマンらスター選手が在籍。華やかさは群を抜き、「世界最高峰のリーグ」と言われる。そのラ・リーガ組の勢力拡大は、日本サッカーの底上げに結びつくのか?

 ラ・リーガ組が、Jリーグで貴重な戦力になっていることは間違いない。

 昨シーズンは、オサスナ、セルタ、エスパニョールなどで実績をあげたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督が、下位に低迷していた東京ヴェルディを昇格プレーオフ圏内の5位にまで躍進させている。

東京ヴェルディを昇格プレーオフ圏内にまで引き上げたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督東京ヴェルディを昇格プレーオフ圏内にまで引き上げたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督

 ロティーナ監督は、3バックであれ4バックであれ、選手の立ち位置や動き方を確立。この"整理整頓"だけで、選手たちは本来の力を出し切れるようになった。例えばアラン・ピニェイロ、ドウグラス・ヴィエイラは一昨シーズン、それぞれ3得点、6得点のFWだったが、昨シーズンは17得点、18得点を記録。クロスのタイミングひとつをとっても、チーム内でひとつのセオリーができたことによって、面白いように合うようになったのだ。

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