浦和レッズが「大人の守り」で爆買い上海を完封。再びアジアの頂点へ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 浦和はその勢いを駆って、決勝でもセパハン(イラン)を下してアジアの頂点に立った。しかし、個人的にはタイトルを掴んだ決勝よりも、すべての人たちが一致団結した、この準決勝・第2戦の戦いこそがもっとも印象に残っている。

 あれから10年、浦和はふたたびアジアのファイナルに駒を進めるチャンスを得た。相手は爆買い中国を象徴する上海上港。FWフッキ、FWオスカルというブラジル代表を擁し、圧倒的な個の力を武器にここまで勝ち上がってきた。

 アウェーでの第1戦を1-1の引き分けに持ち込んでいた浦和は、0-0でも勝ち進める立場にあった。12分、FWラファエル・シルバのゴールで先制すると、さらに優位な状況を手にする。しかし、ここからが苦難の連続だった。

「守るだけだったね」

 MF柏木陽介は、疲労の滲(にじ)んだ表情でそう振り返る。

 1点を追いかける上海上港の圧力を受け、浦和はまさに防戦一方に陥った。とりわけ脅威だったのは、やはりフッキだった。明らかに他の選手とは異なる肉体をまとったこのブラジル人ストライカーは、迫力満点の突破と強烈なフリーキックで浦和ゴールに襲いかかる。

 ただし、浦和もフッキに好き勝手やらせていたわけではない。立ちはだかったのはDF槙野智章だ。

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