J2降格圏にあえぐ大宮と広島。「奇跡の残留」あるとすればどっちか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Hiroki Watanabe - JL/Getty Images for DAZN

 ともに勝ち点2を失ったという意味では、痛み分け、になるのだろう。

 いずれもJ2降格圏であえぐ、16位大宮アルディージャと17位サンフレッチェ広島の直接対決となったJ1第24節注目の一戦は、1-1の引き分けに終わった。どちらにとっても、もし勝てば、他の試合結果次第で降格圏を脱出する可能性があった試合は、しかし、双方ともに決め手を欠く結果となった。

気持ちのこもった戦いを見せた大宮アルディージャとサンフレッチェ広島気持ちのこもった戦いを見せた大宮アルディージャとサンフレッチェ広島 2クラブで分け合った痛みを、より多く引き取ることになったのは大宮だろう。

 大宮は試合序盤から、タイミングよく縦パスを打ち込んで相手DFラインの前でタメを作り、2列目、3列目が次々に駆け上がってくる分厚い攻撃を展開。とりわけMFマテウスが精力的に動き回った右サイドからは、何度となく好機が生まれた。前半のうちに1点でも取れていれば、ワンサイドゲームになっていた可能性もあったはずだ。

 だが、攻勢は攻勢でも、得点できない攻勢には"嫌な雰囲気"がつきものなのは、サッカーの常である。案の定と言うべきか、先制点は53分、FWパトリックのヘディングシュートによって広島に転がり込んだ。

 大宮の伊藤彰監督が悔しそうに語る。

「前半はしっかりゲームコントロールしながら何回か決定機を作ったが、決め切れなかった。後半最初の15分に、うちは失点が多く、広島は得点が多いので、パワーをかけていこうと話していたが、そのなかで決められてしまった。もっと気持ちを強く持って(後半に)入らなければいけなかった」

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