優勝争いを演じるセレッソなのに、ユン監督は激怒、山口蛍は危機感 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「いや、それはないと思う。ただ最近は、ガンバ戦もそうだけど、後半になるとミスが増えてくるし、攻守ともにあやふやになるんです。守備では(相手の攻撃を)切るところは切る、攻撃ではサイドからクロスを上げてシンプルに攻めるとか、もっとハッキリしたプレーをしないといけない。特に攻撃では、点が取れているけど、勝ち続けていたときのような、流動的に動いて点を取るという形が少ないし、そもそも(選手の)動き自体が少なくなっているんで......」

 ガンバ戦も、清水戦も、前半から動き回って後半に運動量が落ちたというより、もっと動けるはずなのに、相手よりも走っていなかった印象がある。

 ユン・ジョンファン監督の求めるサッカーの原点は、運動量にある。相手よりも動きの質、量で上回っていくことが、勝つための前提条件としてあるのだが、そこが今は失われている。山口が言う。

「自分たちがバルサみたいな圧倒的なチームだったら、そんなに走らなくても勝てるかもしれないですけど、そうじゃない。自分たちは、相手よりも走ることで勝ってきたチームなんです。それができていないので、勝てないのは当然だと思う」

 走らなくなるということは、例えば選手間の距離が遠くなり、サポートもなくなってしまうことになる。サポートがなくなれば、攻撃では当然、流動的に動いて崩していくことはできなくなる。

 守備でも同様だ。サポートがなければ、空いたスペースを埋められないし、相手のボールを連係して奪うことができなくなる。その結果、スカスカの守備となり、挙句の果てにはベタ引きして対応するだけとなって、相手にいいようにやられてしまう。

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