昇格PO圏内は目前。ファジアーノ岡山の「謙虚なサッカー」とは? (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 中西祐介/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORTS

 しかし、楽な戦いはない。

第26節の京都戦(結果は1-1)ではエースの赤嶺が負傷し、全治6~8週間と診断された。赤嶺は得点だけでなく、プレスの起点となり、ポストワークで攻撃の流れを生み出していた。精神的な支えでもあっただけに、やりくりは厳しくなった。クラブは後半戦に向け、アルゼンチン人FWニコラス・オルシーニと契約。態勢を強化していたが、戦力としては未知数だ。

 いずれにせよ、総力戦になるのは間違いない。センターバックは左利きの喜山康平が定着し、左翼を安定させた。攻撃のキーマンは、リオ世代の豊川だろうか。身体的躍動感のある選手で、パワー&スピードで相手を凌駕できる。トレーニングと試合で鍛えられ、J2では飛び抜けた力を示しつつある。また、石毛秀樹のようにJ2の中でセンスだけは傑出する新鋭が化けるか――。

 長澤監督は、目の前の勝負に徹している。

「自分たちはペダルを漕ぎ続けるしかない」

 謙虚たれ、をモットーとする指揮官らしいメッセージである。

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