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広島・森保監督の退任に思う。
クラブはビジョンを見失っていないか (6ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 そんな森保監督は、残留争いについて「胃に心臓があるみたいに脈を打つような戦い」と、過酷さを表現していた。選手たちはこれから、そうした試合を戦い抜いていくことになる。だからこそ、かつて森保監督が教えてくれた言葉をメッセージとして伝えたい。

「好きとか、嫌いとか、そういうことも関係なく、選手それぞれがいろいろと抱えていることはあると思うけど、それをさらけ出して、腹を割って話さなければ、根本からは変わらない。一丸になるって、そういうことからだからね」

 クラブが退任を発表する前々夜、森保はすでに覚悟を決めていたからか、ある人物を呼び出すと、食事をともにしたという。その人物を選んだのは、誰よりもクラブの未来を思っていた森保が次世代を担う彼に託したい想いで、伝えたいメッセージがあったからなのだろう。そこに、森保の"サンフレッチェ広島"への愛情を感じずにはいられない。

 今一度、繰り返すが、成績不振の責任は指揮官にある。だが、それはピッチに立っている選手たち、そしてクラブも同様である。変わらなければいけないのは、指揮官だけでなく、選手たち自身であり、クラブである。

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