ジュビロがアウェーでレッズ撃破。1年前とは全然違う「攻撃的守備」 (5ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 先制しながら、一度は逆転されていた磐田にしてみれば、「今度こそ、この1点を守らなければいけない」という守りの意識が生まれてもおかしくはなかった。もしも磐田が受け身に回っていれば、1点差の試合はどう転んでいたかわからなかっただろう。

 だが、磐田はそこで引くどころか、もう一歩前に出て、浦和にさらなる圧力を加えた。大井が続ける。

「(サイドでの高い位置からのプレスが効き)中央でワタル(浦和のDF遠藤航)がボールを持ったときに孤立してノッキングするようになったので、これはイケると思った。あれが4点目につながった」

 名波監督が「(1-1の同点にされた)前半終了間際のCKから、我々が68分に(2-2となる)同点ゴールを決めるまでは浦和の時間帯だった。その間に逆転されたことは反省しないといけない」と話すように、浦和に主導権を明け渡す時間帯は確かにあった。

 だが、90分間を通して見れば、磐田の試合だったと言っていい。「大きな努力をした結果。ハードワークして、勝利に値する試合ができた」(GKカミンスキー)ことは間違いない。同じ場所、同じ相手からの勝利でも、内容的に見て昨季とはその意味が大きく異なる。この1年での磐田の進歩を強く印象づけた。そんな勝ち点3だったのではないだろうか。

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