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6月イラク戦へ。福田正博が、本田圭佑と
酒井高徳の「戦力度」を考える

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

福田正博 フォーメーション進化論

 日本代表は3月29日のタイ戦で4-0と大勝したが、この試合について「点差ほど内容はよくない」という声が散見された。たしかに課題も多く、手放しで褒められる試合内容ではなかった。

タイ戦後、ハリルホジッチ監督と言葉を交わした本田タイ戦後、ハリルホジッチ監督と言葉を交わした本田 ただ、キャプテンの長谷部誠、UAE戦で抜群の働きをした今野泰幸に加え、高萩洋次郎も故障で代表から離脱し、実績のあるボランチが山口蛍しかいない状況だった。そのことを考えれば、グループ最下位に沈むタイにしっかり勝利し、勝ち点3を着実に積み上げたという結果は評価すべきだろう。

 選手個人に関しては、日本代表で初めてボランチを務めた酒井高徳についての言及が目についた。高徳は中盤の底でパスを捌こうと懸命な姿を見せたが、ビルドアップでアクセントをつけられなかったのは事実。ただ、これはハリルホジッチ監督も折り込み済みだったはずだ。

 高徳は今シーズン、所属するハンブルガーSVでボランチとしてもプレーしているものの、相手からボールを奪うことが主な役割で、パスを散らすことに特長はないからだ。その高徳に、ビルドアップが機能せずに悪い流れになった責任を負わせるのは酷だ。責任は、あくまでもその選手を起用した監督にある。

 なぜ、ハリルホジッチ監督は高徳をボランチで起用したのか。負傷離脱選手が続出したとはいえ、追加招集した遠藤航の起用や、山口蛍の1ボランチで、香川と横並びのインサイドハーフに清武弘嗣を使うなど、他にも策はあった。それでも高徳を起用したのは、ハリルホジッチ監督が彼の持つポテンシャルを評価しているからだろう。

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