J2の「オリジナル10対決」は、千葉が名古屋を圧倒でJ1復帰へ光 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 後半に入ると、いくらか名古屋が巻き返しはしたが、決定機と呼べるシーンはほとんどなく、最後はカウンターから交代出場のMF清武功暉がダメ押しの追加点を奪い、勝負は決した。今季から千葉を率いる、フアン・エスナイデル監督が満足そうに語る。

「僕らがいつもやっているサッカーができた。インテンシティ(プレー強度)が高く、ゴールチャンスもたくさん作った。選手の努力が報われたフェアな内容であり、結果にも満足している」

 新指揮官がとりわけうれしそうに話したのは、「いつもやっているサッカー=目指すサッカー」がピッチ上で具現化されたこと。名古屋から攻撃の手段を奪ったプレスについても、「名古屋は短いパスをつないでくる、足元がうまいチーム」と認識しつつ、「ただ、僕らはいつも通りに前からプレスにいっただけ」と、決して特別な名古屋対策ではなく、あくまでもそれが自分たちのスタイルであることを強調する。

 千葉は2010年にJ2へ降格してから、よく言えば試行錯誤、悪く言えば右往左往を続けてきた。

 自らがボールを保持して試合を進めるポゼッションサッカーを志向するもうまくいかず、さりとて守備組織の構築を優先し、堅守速攻のカウンターサッカーに切り替えても、思うような結果を得られなかった。当初はJ1昇格プレーオフ圏内につけていた順位(3位~6位)も、ここ2年は9位、11位と低迷が続いていた。

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