名波、福西らが推測。ジュビロの
N-BOXは銀河系レアルに通用したか (5ページ目)
幻のレアル戦を当時のメンバーが推測
机に置かれたノートパソコンでは、画面に収まりきらないほどの躍動感をもってレアル・マドリードの選手たちが相手陣内に攻め込んでいる。
画面に映し出されているのは、2000年11月28日、東京の国立競技場で行なわれたトヨタカップ、レアル・マドリード対ボカ・ジュニアーズの試合映像である。
「これ、おまえのサイドだよ。どう、止められる? こんなの」
名波が鈴木秀人に問いかける。画面には、ペナルティエリア内、ゴール左斜め前でロベルト・カルロスの左足が捉えたボールが、ボカ・ジュニアーズのゴール天井に突き刺さった12分のシーンが流れていた。
「いやあ、無理ですよ、これ、強烈だなあ」
頭の中でロベルト・カルロスと対峙する自身の姿を思い浮かべたのか、鈴木秀人はひと呼吸置いてからつぶやいた。
完成したN-BOXをたずさえてスペインに乗り込んだジュビロ磐田は、果たして、レアル・マドリードとどのような勝負を繰り広げたか――。
幻に終わった磐田vsレアル・マドリードの仮想スタメン graphic by Unno Satoru 今は監督として磐田を率いる名波の答えは「うーん、シミュレーションをしてみても、『お、いい試合じゃん』とはならないよね」というものだった。
今はトップチームのコーチとして名波を支える鈴木秀人も、「フィーゴもラウールも強烈だけど、グティだって相当うまい。やっぱり甘くないと思います」と彼我の差を冷静に分析した。
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