ガンバの堂安律、J1でも世界でも「マラドーアン」が止まらない! (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 さらに昨シーズン、無冠に終わったことで、長谷川健太監督は攻撃的な新システム導入を検討しているため、堂安にチャンスがめぐってくる可能性は低くない。そのうえで、指揮官からはオフ・ザ・ボールの動きの質やハードワークを求められるはずで、それを身につけることこそ、堂安がトップレベルで活躍する条件になるだろう。

 もうひとつは、同じレフティーで、同世代のライバルが存在すること。それが、堂安がブレイクする糧となると踏んでいる。

 ひとりは、U-19日本代表のチームメイトで、ひとつ年上(学年ではふたつ上)となる川崎フロンターレの三好康児だ。U-19アジア選手権では堂安がMVPに輝いたものの、三好はフロンターレで準レギュラー、スーパーサブといった立ち位置で、昨シーズンはJ1で15試合に出場して4ゴールをマーク。J1での実績は三好がはるかに上回る。

 もうひとりのライバルは、堂安の3つ年下となるFC東京U-18の久保建英だ。昨年9月に、U-16日本代表として世界大会の出場権獲得に貢献した久保はその後、飛び級でU-19日本代表に招集された。久保がU-16日本代表で担ったポジションは右サイドハーフ、それはすなわち堂安がU-19日本代表で務めたポジションなのだ。

 かつて中村俊輔も、ひとつ年上(学年ではふたつ上)に中田英寿、ひとつ年下に小野伸二がいて、同じポジションの同世代のライバルたちを意識し、刺激を受けながら、己を磨いてきた。堂安にとっても、三好から受ける刺激や、久保の存在からくる危機感が、成長への栄養剤になるに違いない。

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