ファジアーノ岡山、初のJ1へ
「セレッソとの噛み合わせは悪くない」 (3ページ目)
「際(きわ)で抑える」
長澤監督のその教えは、岡山のスピリットとなりつつある。辛抱強く、最後の最後のところまで粘り、逆境をかいくぐる。その証拠に、松本の総攻撃に対しては、全員でシュートコースに立ちふさがり、どうにかボールを掻き出している。不恰好だったが、一丸となっていた。
その不屈さはしたたかさに通じる。岡山は守備においては5-4-1とブロックを作るが、守ることに拘泥(こうでい)しない。松本戦の先制点も、赤嶺真吾が前線でロングボールをフリックし、押谷祐樹が持ち込んで決めた。たとえカウンターまで持ち込めないとしても、前線の選手は敵陣深いところでボールをキープし、敵の攻撃をいったん遮断。それによって、ディフェンスは立て直せる。そうした献身の先に、血湧き肉躍る逆転劇を演出した。
プレーオフ決勝、セレッソ戦は拮抗した展開が予想される。長澤監督はセレッソの大熊清監督とFC東京時代に同じ釜の飯を食い、2011年には大熊監督、長澤コーチでJ1昇格を果たしている。お互い手の内は知り尽くした仲だ。
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