ファジアーノ岡山、初のJ1へ「セレッソとの噛み合わせは悪くない」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 共同通信●写真 photo by KYODO

「勝ち筋」

 ファジアーノ岡山の長澤徹監督は、血眼になってそれを探してきた。6位で進出したJ1昇格プレーオフを勝ち上がるには、勝利しか道はなかった。リーグ下位チームの引き分けは負けを意味する。

 乾坤一擲(けんこんいってき)で挑んだプレーオフ準決勝、松本山雅戦。岡山は勝ち筋を見出している。

劇的な決勝点で松本山雅を破り、昇格プレーオフ決勝進出を決めた岡山劇的な決勝点で松本山雅を破り、昇格プレーオフ決勝進出を決めた岡山「勝ち切る準備はしてきました」

  試合後にそう語った長澤監督は、勝利をデザインしていた。

「前半でリードできましたが、ハーフタイムに『このまますんなりとはいかない』と選手に伝え、心理的なマネジメントはしていました。最後のところで力を出し切れるか、と考えていたので。たとえ同点にされても、残り20分で同じ土俵に持ち込めていればやれると思っていました。だから同点にされても『落ち着け』というサインをベンチから送りましたね。でも私が言わなくても、選手は誰ひとり下を向いていなかった」

 後半アディショナルタイム、岡山は勝利につながるゴールをしぶとく叩き込んでいる。事実は小説よりも奇なり。そんな結末だった。

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