久保くんだけじゃない。J3がサッカー界に残した「知られざる功績」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央撮影 photo by Yamazoe Toshio

 セレッソU-23の大熊裕司監督は、「彼らが(来季以降に)トップで活躍することが本当の成果だが」と前置きしたうえで、こう語る。

「その過程として、19、20、21歳くらいでJ3の試合に出ても、やれる(対等に戦える)時間が増えてきているし、タフさが身についてきている。相手は(23歳以下ではない)大人のチームなので駆け引きもうまいが、それに対応できるようにもなってきた。試合のなかで、本当に必要な判断やフィジカルが養えていると、強く感じている」

 3部リーグとはいえ、確かにJ3にはキャリア豊富な選手も多く、ときに老獪な駆け引きも見せる。仮に23歳以下の選手たちのほうが技術的には上だとしても、それだけで勝たせてくれるほど甘くはない。そんなタフな実戦のなかで揉まれる経験は、間違いなく若い選手たちを成長させている。

 それは、決して"親の欲目"ではない。思いを一にするのは、敵将もまた同じだ。

 今季J3でYSCC横浜を率いた樋口靖洋監督は、対戦相手として見たU-23の各チームについて、驚きまじりに口を開く。

「シーズンがスタートしたころは、U-23の選手を見ていて、モチベーションにバラつきがあるなと感じていた。でも、(2回戦総当たりの)後半戦になると、『この子はすごく伸びたな』という印象の選手が増えていた」

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