大一番で際立つ「鹿島っぽい」勝利。
想定通りに粛々と川崎Fを撃破 (3ページ目)
この試合の勝利に「鹿島らしさ」を感じていたのは、土居だけではない。
いつも「試合前は好きな音楽を聞いている」DF昌子源は、この日に限って珍しく過去の試合映像を見ていたという。2009年シーズン最終節(第34節)の浦和戦。アウェーの埼玉スタジアムに乗り込んだ鹿島が、1-0で勝利して前人未踏の3連覇を達成した試合である。昌子が語る。
「その試合は、(1-0でリードし、浦和に押し込まれる)苦しい状況をチーム全員で守っていた。岩政さん(DF岩政大樹。現ファジアーノ岡山)の存在が際立っていた。僕も(岩政と同じ)3番を背負う以上、踏ん張らないといけないと思った。1点を守り切るんだという気持ちをアントラーズからも学んだし、岩政さんからも学んだ」
背番号3とともに、鹿島イズムを継承した男は「これが鹿島なんだと思う試合を見て、モチベーションが上がった」。
「そのとき、(川崎に)1-0で勝っている絵が頭に浮かんだ。最後は苦しい展開になると予想していたが、見本どおりの試合ができた」
昌子は堂々と胸を張り、力強くそう語った。
率直に言わせてもらえば、エンターテインメントという意味では、面白い試合ではなかった。
鹿島の守備がよかったのは事実だが、川崎の攻撃にもミスが目立った。この局面を突破できればチャンスにつながる、というところで、パスがズレるシーンは多かった。
3 / 4