浦和を幻惑した「あちこちにいる」中村憲剛。川崎Fが大一番を快勝 (4ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 そのときはチャンスを仕留めることができず、1−1のドローに終わったが、今回は中村のゴールに続き、途中出場した森谷賢太郎のゴールで2−1と勝ち切った。

 勝ち切れた理由をたどっていくと、川崎の2ボランチの存在にいきつく。

 中盤でボールを引き出してはリズミカルにさばき、ドリブルでも運べ、ボールを奪い返す力も著しい大島と、ボールキープ力が高く、力強い縦パスで推進力をもたらすエドゥアルド・ネット。彼らがいるからこそ、中村はゴール前での仕事に専念できるのだ。

「以前は、憲剛さんが中盤にいないとボールが回らなかったけど、今はあのふたり(大島とエドゥアルド・ネット)で運んでくれるので、僕と憲剛さん、嘉人さんは前で専念できる。本当にあのふたりがいることで、チームがうまく回っていると思う」

 小林の言葉は、ふたりの貢献度を過不足なく伝えている。このビッグマッチでの表のキーマンは中村だったが、裏のキーマンは紛れもなく大島とエドゥアルド・ネットだった(裏とは言えないほど、目立ちまくっていたけれど)。

 この勝利で川崎はセカンドステージ首位の座を浦和から奪い返すと同時に、年間順位では2位浦和との勝ち点差を5に広げた。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る