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インターハイ最多のV9。市立船橋が
ずっと強豪校でいられる理由 (2ページ目)

  • 松尾祐希●文 text by Matsuo Yuki
  • photo by Murai Shidu

 後半も、1点を追う流経大柏が反撃を繰り返した。市立船橋は終始押し込まれる展開が続いたが、うまく要所を抑えて相手に得点を許さなかった。アディショナルタイムに入って、流経大柏のFW河西守生(かわにし・しゅう/3年)に決定的なヘディングシュートを放たれた際も、原が見事にクリア。最後まで体を張った粘り強い守備を見せて、虎の子の1点を守り切った。

 見事9度目の栄冠を手にした市立船橋だが、チームを率いる朝岡隆蔵監督は、その戦いぶりには決して満足していなかった。

「(決勝戦も)苦しかったですし、耐えるゲームでした。こういうゲームをしたくないと思って、チームを変化させてきた部分がある。でも、まだまだこういうゲームになってしまうのか、という感じ。もちろん(相手の戦い方に)引きずり込まれた、という面もある。それに耐えられたのは大きなことだけど、偶然も含めて、やられてもおかしくない試合だった」

 2011年から市立船橋を率いる指揮官は、着任してから常に攻撃的なサッカーを目指してチームを作ってきた。実際、2013年の高校総体では、2-4-4と3-4-3という攻撃的なシステムを使い分けて、決勝では今年と同じ宿敵・流経大柏を相手に4点を奪って頂点に立った。ゆえに、相手に主導権を握られての栄冠獲得には少なからず納得いかない部分があるのだろう。

 とはいえ、市立船橋には脈々と受け継がれてきた"堅守"がある。今大会でも相手に与えた失点は、わずか1点。それも、準々決勝の瀬戸内(広島県)戦で与えたPKのみである。史上最多9度目の覇権を手にする原動力となったのは、間違いなく伝統の堅守があったからだ。

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