チームの中心軸。鹿島のサッカーは小笠原満男を見ていればわかる (3ページ目)
こうした行動も含め、試合の趨勢(すうせい)を決めていたのは、小笠原の「機を見るに敏」なプレーだったと言ってもいい。
鹿島は20代前半の若い選手が多い。彼らは高い能力を備える一方で、経験豊富とは言い難い。それだけにひとつリズムが狂うと、全体のバランスを崩してしまう危険性をはらむ。
裏を返せば、小笠原のような選手が中心軸となって定まってさえいれば、あとは精巧なコマのごとく、いつまでもチーム全体が高速で回り続けるということだ。鹿島が見せる「攻守にわたってアグレッシブな形」の中心にいるのが、小笠原であることは間違いない。
大宮戦での鹿島は数多くのチャンスを生かせず、スコアレスドローに終わった。前節の柏レイソル戦(0-2)に続いて勝利を逃し、首位・浦和レッズとの勝ち点差を5に広げられた。
“鹿島ゴマ”はわずかに回転速度を緩めてしまっているのかもしれないが、しかし、決して中心軸はブレていない。背番号40の動きを追っていれば、鹿島がどんな戦い方をしようとしているのかが見えてくるとさえ言える。
鹿島の強さの秘密を知りたければ、小笠原のプレーを見よ、ということだ。
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