「攻撃陣は3人×3セット分いる」戦力充実の広島が連覇へ好発進 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburou

 ガンバ戦を見る限り、現段階でウタカが広島のサッカーにフィットしているとは言い難い。指揮官が指摘する守備面ばかりでなく、攻撃面でもまだまだ、たどたどしさが見受けられた。

 だが、昨季大ブレイクしたドウグラスにしても、シーズン最初から広島のサッカーにハマっていたわけではない。徐々にチームになじむに従って、力を発揮できるようになっていったのである。現段階であまり焦る必要はないだろう。

 むしろ、長いシーズンを戦い抜くことを考えれば(まして、その間に二兎を追うことを考えれば)、まずは広島のサッカーをよく知る若手の成長株がチャンスを生かして結果を残し、その間にウタカらの新戦力がチームにフィットして力を発揮する。そんな展開が理想的だ。

 それは森保監督が、一時的な外からの戦力補強に頼るのではなく、一貫したチームコンセプトの下、着実に内なる戦力を高めてきたからこそできる戦い方でもある。

 敗れたG大阪の長谷川健太監督をも「成熟している」と唸らせた広島。ディフェンディングチャンピオンが、2012、13年に続く2度目のJ1連覇へ向け、幸先のいいスタートを切った。

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