MLS移籍の工藤壮人。柏レイソルの後輩からかけられた言葉 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 松岡健三郎/アフロ●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo/AFLO

「チームにはチリ代表のパサー(ペドロ・モラレス)がいるらしくて、『パスは出るのにゴールが少ない』というところで、自分には、フィニッシュの部分の仕事を求められた形ですね。だから、ゴールという形で自分を表現できるか、だと思います」

 2013年シーズンにキャリアハイの得点を記録したが、2015年シーズンは10得点。二桁得点はストライカーとして一つの基準をクリアしていたが、彼に対する評価は厳しかった。

「それは"もっとできる"という期待の裏返しなんだとは思います。それに自分の場合、"得点が勝利に直結する"という試合を積み重ねてきました。なので、その機会が少なかった、というのも評価の低さの理由かもしれません」

 工藤は腕を組み、言葉を選びながら続けた。

「2013年はチームのことよりも、キタジ(北嶋秀朗)さんがつけていた9番を初めてつけ、"周りを納得させるようなプレーを見せる=ゴールする"ということだけで必死でした。正直、"チームがどう進むべきか"ということなど、あまり考えていなかったんです。2015年は25歳という年齢になったのもありますが、(ユース時代からの恩師である吉田達磨監督が初采配のシーズンで、"達磨チルドレンの長男"と言われていた)立ち位置としても、状況はかなり違いました」

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