なぜ日本代表はカンボジアから3点しか奪えなかったのか? (2ページ目)

  • photo by Fujita Masato

 しかし、カンボジア戦の日本代表は右サイドから本田圭佑と酒井宏樹のコンビネーションで何度か崩してはいたが、中央へのドリブル突破や、中央への縦パスをあまり使わなかったので、相手の守備ブロックを大きく揺さぶることができていなかった。

 さらに、ターゲットとなる背の高いFWがいないことで、サイドを崩してクロスを入れても、サイド攻撃の威力は半減していた。

 サイドからのクロスでゴールを狙うのであれば、ゴール前には1トップのFWに加えてトップ下のほか、ボランチのどちらかとできればもうひとりがゴール前に連動して入るようにするべきであり、何よりも1トップには高さが武器の選手を起用すべきだろう。

 また、カンボジア戦に臨むにあたって、ハリルホジッチ監督はミドルレンジからのシュートを中盤の選手に意識させると言っていたが、所属クラブでミドルシュートを打つことが少ない日本人選手にそれを求めても、すぐにシュートが決まるはずがない。

 現在の日本代表は海外組が多く、「選手個々のシュートに対する意識は高い」と思われているかもしれないが、実際は違う。海外組の多くの選手が、所属クラブで求められているプレーは、味方のためにスペースを作ったり、ハードワークで守備をすること。それはつまり、チームのための献身的なプレーだ。彼らはその部分で評価されていることが多いのであって、積極的にシュートを打つことで評価されているわけではない。

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