2014.11.24

福田正博が分析。アギーレJとザックJの最大の違い

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 日本代表は来年1月のアジアカップに向けた年内最後の親善試合で、ホンジュラスに6対0、オーストラリアに2対0で連勝した。アギーレ体制が始動した最初の4試合は、初招集の若手選手のテストを積極的にしていたのに対し、この2試合はアジアカップを見据えてベテランも呼び、現時点でのベストメンバーで臨んだのだから、妥当な結果であり、驚きはあまりなかった。

アギーレ監督が就任後、日本代表は6試合を終えて3勝2敗1分け アギーレ監督が就任してからの6試合を振り返ると、新戦力発掘の意味合いが強い若手が起用されたケースと、勝利を求めてベストメンバーで臨んだ試合のどちらかで、選手起用が極端な部分がある。

 ただ、代表チーム内に競争原理を働かせるには、主軸が揃っている試合で若手や新戦力を起用すべきで、遠藤保仁や長谷部誠など、ブラジルW杯組が出場した試合でこそ、中盤のポジションで柴崎岳ら若手のテストもしてもらいたかったところだ。

 よく言われる意見のひとつに、4年後に向けて若手を中心に起用し、経験を積ませて育てながら世代交代を推し進める方がいいという考え方があるが、日本代表は「育成の場」ではない。実績を積み上げた選手たちの集合体である日本代表を、常に勝利が求められるステージであると考えれば、年齢に関係なく一番いいパフォーマンスをしている選手が選ばれるべきだ。

 しかも、代表として活動できる時間は4年間で300日程度しかないのだから、育成は非常に難しい。育成は、世代別のユース代表や、各クラブが担うべきものと私は考えている。

 そうした点をふまえて、現時点でのベストメンバーと、育成年代で実績を積んできた若手を競わせ、そこで競争に勝った選手たちが生き残る。たとえば、遠藤や長谷部ら実績のあるベテランと交代した若手が、同じ試合の中で”違い”を発揮してアピールする。そうでなければ、真の意味での競争原理も世代交代も進まない。目の前の試合に常に全力でぶつかり、ベストメンバーに残った選手こそが、4年後のW杯メンバーにつながるのだと私は思っている。