2014.09.23

名波浩が分析。対戦チームがレッズ独走を止める方法

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

名波浩の視点

 Jリーグ首位を快走する浦和レッズが、第24節でも柏レイソルに3-1と完勝した。

 まさに”磐石”というか、レッズにとっては自分たちの理想どおりの展開だったと思う。前半、レッズらしい攻撃で2ゴールを挙げて、2-1とリードして終えると、後半10分にPKを得て3点目。その際、相手選手が退場し、早々に勝負を決するとともに、後半の多くの時間は力を温存し”省エネ”サッカーができた。今後の過密日程を考えても、理想的かつ価値ある勝利だった。

 レッズはここ3戦、4-0(第22節vs大宮アルディージャ)、4-1(第23節vs清水エスパルス)、そして3-1と、3試合で11ゴールを記録。その圧倒的な攻撃力に目を奪われてしまうけれども、同様に際立っているのは、ディフェンスだ。すごく安定していて、相手の反撃に対する潰しがとにかく速い。誰もが正しいポジションから、正しい判断でボールを奪いに行けている。

 とりわけ、2ボランチの阿部勇樹、鈴木啓太、3バックの真ん中を務める那須大亮と、レッズのゴールから見て逆三角形に位置する3人の仕事ぶりが光っている。それぞれのポジショニング、距離間とも申し分なく、常にバランスのいいトライアングルを作って、敵の攻撃の芽を摘んでいる。そして、3人が下がり過ぎず、逆に上がり過ぎることもないので、チーム全体のバランスがうまくとれている。

最前線でチャンスを演出するレッズのFW興梠慎三(左)。右はレイソルDF増嶋竜也。 もちろん、美しい崩しからゴールを量産している攻撃も素晴らしい。日替わりヒーローというか、状況や局面によって、違った人間がゴールを奪って、どこからでも点が取れている。

 それが実現できるのも、1トップに位置する興梠慎三が前線でいい動きをしているからだろう。あくまでも興梠自身の感覚で、フワッとしたものなんだけれども、その動きが攻撃時に絶妙な深さを作っている。加えて、敵DFが興梠に引っ張られるため、興梠が動いたあとのスペースや、その背後を他の選手たちが突いて、決定機を生み出している。前節のエスパルスにしても、この日のレイソルにしても、そうしたレッズのアクションについていけていなかった。

 また、昨季失点が多かったこともあって(リーグワースト6位の56失点)、3バックの両サイドを務める槙野智章と森脇良太は、今季の春先まではやや攻め上がりを自重していた。しかし最近は、ふたりが上がっても守れる準備ができていて、攻撃の際にはふたりが高い位置をとって、ピッチの幅をより広く使えるようになった。その幅広いピッチの使い方もレベルアップし、槙野や森脇からのチャンスはもちろんのこと、彼ら自身がゴールに絡むシーンも増えた。そうやって、自分たちのスタイルにさらに肉づけができているからこそ、レッズは不動の首位でいられるのだと思う。