2014.04.30

川崎Fが「いいチーム」で終わらないための必須条件

  • photo by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT

名波浩の視点

 昨季リーグ3位となって、今季は優勝候補にも挙げられている川崎フロンターレが、評判どおり素晴らしいサッカーを見せている。

 第10節のベガルタ仙台戦でも、結果は0-0のドローに終わったものの、人も、ボールも動く、いいサッカーを披露。特に立ち上がりの15分は、ベガルタを圧倒し続けた。

 長短、パスの距離が絶妙で、相手の先を読みながら変化を加えていた。そのうえで、人が出入りするタイミングも抜群で、ボールを出したい選手と受けたい選手との呼吸もすごく合っていた。ボールホルダーに対して、誰かが必ずいいアングルで顔を出していたし、ひとつの出しどころが消されたとしても、その際にはどこか別の出しどころが空くように周囲が動いていて、非常にスムーズにボールが回っていた。

フロンターレの攻撃を引っ張る中村憲剛。 さらにフロンターレには、MF中村憲剛の敵の裏を狙ったロングボールや、ゴールに直結するキラーパス、FWレナトの前にボールを運んでいく推進力といった飛び道具がある。そうした能力の高い個性と、組織のボール回しが融合したときは、ベガルタもまったく成す術がなかった。数的同数で対応していては、どうにもならない状況だった。

 それでも、ベガルタが踏ん張れたのは、GK関憲太郎のがんばりがあったこと。そして、最終的には、前線の選手も下がってきて、全体をコンパクトにして、フロンターレの攻撃に対して隙を与えないようにしたからだ。真っ向勝負にいっては耐えられないと、そこはベガルタも腹をくくっての対応だったと思う。結果、前半途中からはフロンターレの攻撃スピードを抑えることができた。