J3開幕。プロリーグとして山積する課題と射し込む希望 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • アフロスポーツ●写真 photo by AFLOSPORTS

 この日、両チームの選手の平均年齢は約24歳。多くはJ1、J2で居場所がなかった若手である。すなわち彼ら自身も、プロとはなんぞや、と模索しているのだろう。

 注目されたU-22選抜は、開幕戦で昨季JFL11位のFC琉球と戦い、0-3で惨敗している。琉球のFW中山悟志は「U-22選抜はJ3優勝を狙える力があると思って構えたから、ちょっと拍子抜けで」と語っている。中山はU-21時代にアジア大会を制している。大久保嘉人、松井大輔、阿部勇樹など主力はJ1レギュラーの時代だった。それだけに急造チームとはいえ、3部リーグで手も足も出ないU-22は物足りなかったのだろう。U‐22選抜は、地域に根ざしたJリーグの理念に合わず、「ポジション争いに勝って試合に出る」というプロの大原則にも反している。

 こうした矛盾を含め、J3は現時点で、プロサッカーリーグという器を広げたに過ぎない。中身を満たすのはこれからになるだろう。

 しかし帰り道、意外な光景を目にした。相模原のサポーターたちは、0-4というどうしようもない敗戦にもかかわらず、応援するプロチームの誕生に喜色すら浮かべていた。その明るさは、J3の未来に射し込む希望に違いない。

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