2014.03.09

負けて余裕の浦和は、本当に昨年と違うのか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 この日、浦和レッズが見せたのは、昨季から続くどうにも煮え切らない試合だった。

 J1第2節、サガン鳥栖戦。浦和にとってホーム開幕戦となったこの試合、シュート数17対3という数字が示すように、常にボールを支配し、攻め続けたのは浦和のほうだ。しかし、浦和は一度もゴールネットを揺らすことなく、逆にミスから与えたワンチャンスを決められ、前半に9分に失点。0-1で敗れた。

J1第2節、ホームで鳥栖に敗れた浦和は1勝1敗となった 昨季の浦和は、「ここを勝てば首位」という重要な試合をことごとく落とした。シーズンを通して優勝争いに加わりながら、それでいて一度も首位に立つことはなく、最後は3連敗と大失速。終わってみれば、最終順位は6位である。

 昨季からの悪い流れは、依然続いている。鳥栖に勝ち点3を献上した試合からは、そんな印象を受けた。

 ところが、選手から聞かれたのは、意外なほどポジティブな反応だった。柏木陽介は「昨季の終わりごろより、いいサッカーができている」と言い、こう続ける。

「先に失点して、昨季ならイケイケドンドンになって攻めに出て、逆に失点を重ねていたけど、今日は負けていてもじっくりと攻めることができた」

 ペトロヴィッチ監督もまた、意見は同じだ。

「リードした相手が引き気味に守備を固めてくると、スペースと時間がなくなる。疲れが出て集中力に欠け、焦りも出てくるものだ。そんななかでも落ち着いてボールを動かし、サイドから中央からとフレキシブルに攻めることができた。後半は攻めあぐねた印象を持たれるかもしれないが、攻撃のところは比較的うまくいっていたと思う」

 昨季を振り返ったとき、浦和が優勝を逃した要因のひとつとして、失点数の多さが挙げられる。

 浦和の総得点数66はJ1全18クラブ中トップだったが、その一方で総失点数56も6位タイと多かった。最少失点(29)だった広島のおよそ倍の数字である。

 だからこそ森脇良太も、「今日は結果として負けたので、そこに逃げたくはないが」と前置きしたうえでこう語る。

「先制されても前がかりにならずにやれたのは収穫。追加点を取られることなく、左右にボールを動かし、落ち着いて攻めることができていたと思う」