2014.02.10

鳥栖・豊田陽平が鬼気迫るハードトレーニング

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 多くの選手が苦悶の表情を浮かべ、重い足をどうにか動かし、長い階段を何度も駆け上がっているシーンを、テレビのニュースなどで目にした人も多いのではないだろうか。

 2014年シーズンのJリーグ開幕を前にしたキャンプで、サガン鳥栖が厳しいトレーニングをこなしている。

 1月20日のチーム始動以来、ほとんど休みなくトレーニングメニューを消化。2月8日には今年初めてJクラブ相手(ジェフ千葉)に練習試合を行なったが、GK林彰洋によれば、「体に疲労感が残った状態でやっている」とのこと。選手たちは疲れた体にムチ打って、厳しいキャンプでの日々を過ごしている。

 とはいえ、J2千葉との練習試合に臨んだ選手たちからは、疲れを抱えた状態にもかかわらず、ハードトレーニングの成果がうかがえたのもまた事実である。エースストライカーの豊田陽平が語る。

昨シーズンは20ゴールで得点ランキング4位だった豊田陽平「(シーズンオフの)休みが短かった分、個人的には例年より体のできるスピードがすごく速いのかなという感じがする」

 鳥栖は千葉を相手に、豊富な運動量やすばやい攻守の切り替え、あるいは球際での争いで強さを見せ、2-0の勝利を収めた。決して華麗なボール回しでゴールを奪ったわけではなかったが、コンパクトな守備をベースに泥臭く相手ゴールへ迫る姿勢は鳥栖らしさに磨きがかかった印象を受けた。

 順調に進む「体の出来具合」について、豊田はこんな言葉で手応えを口にする。

「トレーニングをやっていてもそうだし、ゲームをやっていても走れる。そういう感じがある」
 
 もちろん体をつくる過程において、豊田にしても蓄積した疲労がないわけではない。

 例えば、長いシーズンのなかでは中2日や中3日で連戦をこなすことが何度かある。当然、その時々で疲労は溜まるわけだが、「その疲労感とは、今はまた別」だと豊田は言う。「体力を維持するためではなく、アップさせるためのトレーニングを積んでいるので、言ってみれば、今はあえて”変な疲れ方”をさせている状態」なのだという。