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日本代表が進むべき道はポゼッションか?カウンターか?

  • photo by Getty Images

 U-17W杯UAE大会で、吉武博文監督が率いる日本代表が圧倒的なポゼッションを武器に、グループリーグ1位突破を果たすなど、好勝負をした(ベスト16で敗退)。その事実と、世界のトップチームのスタイルをふまえて、日本代表がW杯で勝つ確率を上げていくためにどうすればいいのか、どういうスタイルが日本らしいサッカーとしてあり得るのか考えてみたい。
※U-17W杯UAE大会 日本代表のリザルト
 グループリーグ3勝0敗 ロシア戦 1-0 ベネズエラ戦 3-1 チュニジア戦 2-1
 ラウンド16  スウェーデン戦 1-2

U-17W杯UAE大会で善戦した日本代表。惜しくもベスト16で敗退したU-17W杯UAE大会で善戦した日本代表。惜しくもベスト16で敗退した 日本サッカーが目指す方向性を考えるとき、もちろん世界の最先端のトレンドは配慮しつつも、それを追いかけるだけではなく、日本人の特性に合ったサッカーを志向することがもっとも重要になる。

 もちろん、ゴール前の守りを固め、ボールを奪ったらロングボールを放りこみ、選手同士が体をぶつけ合ってファイトするサッカーもひとつのスタイルで、その戦い方にも素晴らしさがある。守備に比重をおいてDFラインを下げ、カウンターからゴールを奪うスタイルもひとつの方法ではある。ただ、高さと強さで劣る日本人の適性はそこではないだろう。

 吉武監督がU-17で実践しているサッカーの良さは、「日本人に合ったサッカー」をしている点にある。日本人が世界大会で戦っていく上で、強豪国に勝つために何が一番いいのかを考えぬいた結果、ポゼッションを高めるスタイルを続ける決断をしたのだと思う。

 事実、年齢制限がある大会とはいえU-17W杯では、連続してグループリーグを突破して、世界の上位国といい勝負ができている。連係の精度、技術、状況判断の質を上げて、ゲーム運びのうまさを身につけていくためにも、この戦い方を続けることが理想的だろう。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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