残り4試合。Jリーグ3強の「強みと弱み」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Masuda Yuichi

3位:サンフレッチェ広島(勝ち点56)
残り4試合の対戦カード(※H=ホーム、A=アウェー)
第31節(11月10日/13:00)A vs柏(11位)
第32節(11月23日/14:00)A vsC大阪(5位)
第33節(11月30日/14:00)H vs湘南(16位)
第34節(12月7日 /15:30)A vs鹿島(4位)

◆サンフレッチェ広島の「強み」
 昨季覇者のサッカーの完成度の高さを誰もが絶賛。攻守のバランスの良さはリーグ随一という声もあった。

福田正博氏

「選手層が厚く、資金力もあるF・マリノスやレッズは、Jリーグの中ではどちらかと言えば“ビッグクラブ”。その分、『優勝しなければいけない』という雰囲気がチームを取り巻いていて、優勝への“欲”が強い。クラブやサポーター、スポンサーなど、あらゆる方面からのプレッシャーも相当なものだろう。それに比べると、サンフレッチェにかかる重圧は少ないと思う。変なプレッシャーを感じることなく、のびのびとできるのではないか」

鈴木正治氏

「(第29節の)F・マリノスとの天王山では0-1で敗れたものの、そのあとの試合で勝って、ズルズルと後退しなかった。そこに、チームとしてのメンタリティーの強さを感じたし、成熟したチームだなと思った。あと、MF野津田岳人という“切り札”的な存在がいるのは心強い」

平野 孝氏

「チームとして出来上がっている。自陣で守備のブロックをきちんと作って、網を張るようにして相手ボールを効果的に奪取できる。そこからの速攻、遅攻ともに優れている。それが実現できるのも、MF高萩洋次郎、MF青山敏弘という決定的なパスを出せる選手がいて、決め手のあるFW佐藤寿人がいるから。攻守ともに穴がないと思う」

田中 誠氏

「昨年も優勝しているので、選手たちが自信を持って戦っているし、試合の流れをつかむのがうまい。そして、厳しい状況を凌ぐ術も知っている。さらに、野津田岳人のように、試合の流れを変えられる、勢いのある若手も出てきた。そういう意味では、今のサンフレッチェには『弱み』というのは見当たらない」

◆サンフレッチェ広島の「弱み」
「弱みがない」という意見がもっとも多かった。回答してもらった解説者の方々も「強いて挙げれば……」というスタンスだった。

木村和司氏

「相手チームに研究し尽くされている、という点は弱みかもしれない。また、どのチームにも言えることではあるけれども、サンフレッチェは特に先制されると厳しい。相手がラインを下げて、サンフレッチェの守備網に引っかかってくれないからだろう」

福田正博氏

「3チームの中では、いちばん選手層が薄い。そこは『弱み』のひとつ。万が一、負傷などでエースの佐藤寿人が出られなくなったりしたら、大変なことになるだろう」

鈴木正治氏
「際立った『弱み』はないけれども、絶対的な『強み』もない。強いて言えば、それが『弱み』かもしれない。あとは、3チームの中で唯一、4試合中アウェー戦が3つある。遠征が増えることを考えても、決して有利とは言えない。それに、対戦カードも決して易しくない。勝ち点1しか挙げられないと、取り残される可能性があるだけに、骨のあるチームとの対戦が多いのはきつい」

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