2013.11.08

残り4試合。Jリーグ3強の「強みと弱み」

  • text by Sportiva
  • photo by Masuda Yuichi

第29節に行なわれた首位攻防戦は、F・マリノスがサンフレッチェに勝利した。残り4試合となったJリーグ。注目の優勝争いは、第30節を終えて首位に立っている横浜F・マリノス(勝ち点59)、2位浦和レッズ(勝ち点57)、3位サンフレッチェ広島(勝ち点56)の3チームに絞られた感がある。そのうち、頂点に立つ可能性の高いチームはどこか。5人の解説者に、各チームの「強み」と「弱み」を分析してもらった。

1位:横浜F・マリノス(勝ち点59)

残り4試合の対戦カード(※H=ホーム、A=アウェー)
第31節(11月10日/13:00)H vs名古屋(12位)
第32節(11月23日/14:00)A vs磐田(17位)
第33節(11月30日/14:00)H vs新潟(10位)
第34節(12月7日 /15:30)A vs川崎F(7位)

◆横浜F・マリノスの「強み」

 すべての解説者が安定した守備力を最大の「強み」に挙げた。そして、ベテラン選手が多いことが、今後の戦いでは有利になると口をそろえていた。

木村和司氏(元横浜F・マリノス監督)

「第一に、経験豊富なベテラン選手がたくさんいる。その分、これから厳しい戦いが続く中でも、試合の流れを読んで、自分たちのペースというものをきちんと作っていけると思う。チーム全体のディフェンスがしっかりしているのも心強い。なかでも、富澤清太郎と中町公祐のボランチふたりの仕事ぶりが光っている。彼らが攻守のバランスをとり、落ち着いたプレイで前線への橋渡し役もこなしている。中村俊輔が輝いているのも、彼らふたりの働きがあってこそ。そして、最大の強みは、その俊輔の存在。彼の『優勝したい』という気持ちがチームを引っ張っている。そんな俊輔をはじめ、FWマルキーニョス、MF齋藤学と、苦しい試合の中でも、得点を決め切れる選手がいるのも大きい」

鈴木正治氏(元横浜マリノス、名古屋グランパス)

「ここ5試合連続無失点という数字にも表れているとおり、安定した守備力が最大の強み。チーム全体の意思統一に関しては、シーズン終盤を迎えてさらに深まっているように感じる。そんな強固な守備の中で、忘れてはいけないのが、守護神・榎本哲也の存在。これまでも、1試合の中で何度か崩されるシーンはあったが、GK榎本が最後のところでファインセーブを見せてチームを救ってきた」

田中 誠氏(元ジュビロ磐田、アビスパ福岡)

「ベテラン選手が多いが、そこに中堅、若手選手もうまく融合していて、チームとしてやるべきことを誰もがわかっている。選手全員に迷いが感じられず、優勝に向けて突き進んでいる雰囲気がある。メンバーはある程度固定しているけれども、最近になって、レギュラーの誰かが欠けてもその穴を埋める人材がそろってきたことも好材料」

◆横浜F・マリノスの「弱み」
 ほとんどの解説者が、F・マリノスに「弱み」は見当たらないと回答。ただし、11月1日に胆のう炎で入院し、戦列を離れた中村俊輔の動向を誰もが心配していた。

福田正博氏(元浦和レッズコーチ、元日本代表)
「胆のう炎で入院したという、中村俊輔の状態が気がかり。なにしろ、チームの行方を左右する、絶対的な存在だからだ。今季、F・マリノスが躍進できたのも、俊輔の出来が非常に良くて、彼がチームを引っ張ってきたからこそ。万が一、俊輔が試合に出られないとか、万全のコンディションでプレイできないということになると、F・マリノスにとっては致命的な状況。主力選手が累積警告や負傷で戦列を離れることはどのチームにも考えられることだけれども、俊輔の穴はさすがに埋めようがないのではないか」

鈴木正治氏
「心配なのは、入院した中村俊輔の状態。試合に出場できても、コンディション面で不安を感じる。普段どおりのパフォーマンスを発揮できなければ、攻撃面におけるマイナスは計り知れない。特に相手に守備を固められたら、突破口が見出せなくなる。あと、終盤で試合の流れを変えられるとか、"ここ"という場面で投入できる『ジョーカー』的な選手がいない点が『弱み』になるのかもしれない」