残り4試合。Jリーグ3強の「強みと弱み」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Masuda Yuichi

2位:浦和レッズ(勝ち点57)
残り4試合の対戦カード(※H=ホーム、A=アウェー)
第31節(11月10日/19:00)A vs仙台(8位)
第32節(11月23日/14:00)H vs川崎F(7位)
第33節(11月30日/14:00)A vs鳥栖(14位)
第34節(12月7日 /15:30)H vsC大阪(5位)

◆浦和レッズの「強み」

 ペトロヴィッチ監督のサッカーが浸透している点を評価し、得点力の高さが「強み」という意見が多かった。

福田正博氏
「ペトロヴィッチ監督が志向するサッカーが成熟してきている。『強み』は何かと問われると難しいが、相手にとっては、エースとか、得点源とか、誰かを抑えればどうにかなる、というチームではない。どこからでも攻撃を仕掛けることができて、いろいろな選手がゴールを奪えるのはストロングポイント。そして、セットプレイの守備に問題を抱えていたが、ここ最近は、守り方を変えたり、GKを山岸範宏に代えたりして、改善されてきている。また、ビルドアップ能力が高い加藤順大から山岸にGKを変えたことで、最終ラインからリスクをかけていく展開がなくなった。それによって、ゴールを取りにいく破壊力が薄れてしまったかもしれないが、リスクを負わなくなった分、安定した戦いができていると思う。ペトロヴィッチ監督が理想よりも現実をとったのか、その真意はわからないが、決断を下した監督の覚悟を感じる」

鈴木正治氏

「何よりサポーターの存在が大きい。他のチームにはない『強み』。選手にとっては、大きな後押しになると思う」

平野 孝氏(元名古屋グランパス、東京ヴェルディなど)

「1点取られても2点取るサッカーを一貫してやり続けている。その分、どこからでも、どの選手からでも、ゴールが狙えるというのは強み。リスクマネジメントにはやや不安があるものの、勝ち点3を積み重ねていく力強さはいちばんあると思う」

◆浦和レッズの「弱み」
 破壊力のある攻撃に魅力を感じながらも、相手のカウンターに対する守備面を多くの解説者が懸念。思わぬ取りこぼしもあり得る、と不安の声も......。

木村和司氏

「ナビスコカップ決勝で敗れてクローズアップされた、ペトロヴィッチ監督の"運"のなさ。まだ一度もタイトルを手にしていないというのは、ちょっと気になる。リーグ戦で優勝して、そうした汚名は返上してもらいたいけれども、どうだろうか......」

福田正博氏

「最大の不安は、守備。3チームの中では最も不安定。それと、非常に高いテンションでナビスコカップ決勝を戦ったあとだけに、選手たちはリーグ戦に向けて気持ちを切り替えるのが難しいと思う。そんな選手たちをどうマネジメントしていくのか、監督が果たすべき仕事も大変。そういう意味では、第31節(11月10日)のアウェーのベガルタ仙台戦は、かなり難しい試合になるだろう。ただ、そこをうまく乗り切って結果を出せるようなら、優勝の可能性が広がるかもしれない」

鈴木正治氏

「3チームの中で最も得点力があるとはいえ(レッズ=59得点。F・マリノス、サンフレッチェ=47得点)、失点数もずば抜けて多い(レッズ=41失点。F・マリノス=26失点。サンフレッチェ=27失点)。シーズン終盤の試合では、点を取るのが本当に大変になってくるので、失点が多いのはマイナス」

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