W杯まで1年。福田正博からザックジャパンへ「3つの提言」

  • photo by Fujita Masato

 ブラジルで行なわれたコンフェデレーションズカップは3連敗という結果に終わった日本代表。ワールドカップ本大会まであと1年。世界を驚かすために、何をすればいいのか。ミスターレッズ・福田正博氏が提言する。

■圧倒的な運動量を日本の武器にする

 今回のコンフェデは3連敗と結果としては最悪だったが、来年の本大会に向けて、やらなくてはいけないことがはっきりしたともいえるので、前向きに考えていきたい。下を向くことなく、課題をクリアしていくことが重要になる。3試合で9失点、ミスも各所に出た。勝ちきるための経験が不足していることも浮き彫りになった。では、来年のワールドカップまでに日本は何をするべきなのか。

コンフェデレーションズカップで3連敗に終わったザックジャパン。W杯へ課題を残したコンフェデレーションズカップで3連敗に終わったザックジャパン。W杯へ課題を残した 日本は、フィジカルの強さや個人の身体能力の高さで局面を打開できるチームではない。攻撃でも守備でも、ひとりでもラクをしたら、今回のコンフェデで対戦したレベルの相手にはたちまちやられてしまう。つまり、常にハードワークをしなくてはいけない。

 そして、このハードワークを日本のストロングポイントにするべきだ。

 ヨーロッパチャンピオンズリーグ(CL)でも、バルセロナに勝つために、バイエルンはロッベンやリベリーまでもが走りまわった。5月に現地で取材したCL決勝のバイエルン対ドルトムントでも、両チームの運動量は相当なものだった。

 こうしたビッグクラブの超一流選手ですら攻守に走り続けるのだから、日本の選手たちは、もっとハードワークをしなくては彼らに勝てない。つまり、日本代表がブラジルやスペインを上回るためには圧倒的な運動量がなくてはいけないということだ。

 それに加えてパススピードの向上、スプリント回数の増加、周囲との連動も必要になる。チームとしてコンパクトな状態を保ち、攻守の切り替えを速くして、選手同士のいい距離感を保つ。そのためには運動量だけでなく、テクニック、戦術理解度の高さも不可欠だ。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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