【日本代表】現代サッカーとザックジャパンのGKに求められる能力とは

  • photo by Fujita Masato

ザックジャパンの正GKの川島は、現在ベルギーのスタンダール・リエージュ所属ザックジャパンの正GKの川島は、現在ベルギーのスタンダール・リエージュ所属
福田正博 フォーメーション進化論 vol.24

 現代サッカーにおいて、GKは手よりも足を使う頻度の方が高くなった。つまり、ルールが改正されてGKがバックパスを手で処理できなくなってからは、足元の技術が非常に重要になっているということだ。それはザックジャパンでも、なでしこジャパンでも同じことがいえる。日本人が好むサッカー、パスをつなぐスタイルを志向するサッカーの場合、GKに求められる資質、能力や技術が、いわゆるひと昔前のGKとはまったく変わってきている。

 わかりやすいのはスペイン代表のカシージャスのようなGKだろう。従来のGKとしての守備の能力は当然高いレベルにあったうえで、足元のボールさばきができるし、精度の高いフィード能力もある。

 さらに、サッカーの陣形がよりコンパクトになってよりスピーディになっているので、DFラインの裏の広大なスペースもGKがカバーしてケアしなくてはいけない。

 よく、GKが最終ラインのリベロのような役割をするという言い方をするが、ただ単純に最後尾にいて守備に専念すればいいだけではない。実際は「ゲームの流れを読む力」が必要になってくる。

 これが今のGKにとって非常に重要な要素で、フィンケ監督もこれをずっと言っていた。だから、今、浦和でゴールを守るGKの加藤順大は、フィンケ監督が指揮をとっていたとき、練習でフィールドプレイヤーとしてリベロのポジションをやらされていた。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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