【Jリーグ】大阪からJ1クラブが消えてしまう?

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

敗戦後、首をうな垂れる遠藤保仁(左)と今野泰幸(右)。後半戦、盛り返すことができるか敗戦後、首をうな垂れる遠藤保仁(左)と今野泰幸(右)。後半戦、盛り返すことができるか 来季、大阪にJ1クラブがなくなってしまうかもしれない。

 Jリーグ20年目を迎えた今季、ガンバとセレッソの大阪勢が苦戦している。折り返し地点を過ぎ、第19節を終えた時点で、ガンバが18チーム中17位。セレッソも第19節で柏レイソルに1-4で敗れ、ついに降格圏内の16位に足を踏み入れたのだ。

 昨季はともにアジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場していた両雄。いったい何が起こったのか。このような事態に陥ることは、想像できたことだったのか。

「ここまで順位を落とすとは思いませんでした。ただ、苦戦する可能性がなかったわけではありません」

 そう語るのは、アテネオリンピックで指揮を執り、日本代表コーチやジュビロ磐田の監督なども務めた解説者の山本昌邦氏である。

「両チームに共通するのは、長期政権を築いた監督が退任したことです。練習メニューやチーム戦術など、慣れ親しんだやり方が変わるわけですから、浸透するまで時間が掛かるのも当然です。しかも、両チームとも後任の監督にブラジル人を招きました。ブラジル人監督はヘッドコーチやフィジカルコーチを連れて来ますから、スタッフも入れ替わることになり、スタッフと選手が理解し合うだけでも時間が掛かる。特に今のJ1は、戦力が拮抗しているので、ちょっとした躓(つまず)きが順位に大きく影響を及ぼすことになるんです」

 たしかに、代表クラスが次々と欧州に活躍の場を移すようになった今、J1クラブの戦力差は明らかに縮まっている。昨季のように、昇格したばかりのレイソルがJ1を制すこともあれば、昨季ACLに出場したガンバやセレッソでも、こうして簡単に順位を落としてしまうというわけだ。

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