【Jリーグ】魅力あふれる湘南サッカー。
「ひたむきに走る3-4-3」で首位キープ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Tsukida Jun/AFLO SPORT

12節終了時点で、若手主体のチームである湘南がJ2首位をキープしている12節終了時点で、若手主体のチームである湘南がJ2首位をキープしている
 J2は5月3日に第12節が行なわれ、これでリーグ戦の約4分の1を消化した。まだシーズン序盤とはいえ、全22クラブのうちの半数にあたる1位から11位までの勝ち点差はわずかに7。早くも混戦模様となっている。

 そんな本命不在のJ1昇格争いを引っ張っているのが、首位の湘南だ。

 湘南のスタートダッシュは見事だった。

 戦前の評価は決して高くなかったが、開幕戦からいきなりの4連勝で勢いづくと、1分けを挟んで、再び4連勝。9試合を終えて8勝1分けという、驚異的なペースで勝ち点を積み上げた。

 今年の湘南の特徴は、とにかく「よく走る」ということだ。

 湘南が採用するフォーメーションは、中盤に厚みを持たせた「3-4-3」。高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪い、一気に攻め切るというのが得意の形だ。

 とはいえ、前線の選手だけが少ない人数で攻め切るわけではない。背番号10を背負う菊地大介が、「ボールを奪ったところから、どんどん人が湧き出てくるプレイがうちの特徴」だと話すように、後ろから次々に選手が飛び出し、厚みのある攻撃を仕掛けていく。

 もちろん、3バックを務めるDFも例外ではない。チャンスと見るや、誰もが躊躇なく攻め上がっていく。そこに生まれるのは、運動量で相手を圧倒する迫力だ。

 当然、曺貴裁(チョウ・キジェ)・湘南監督も、「かさにかかって攻めて、ボールを取られたときの裏返しのリスク」は認識している。ときに「前に行きすぎて、後ろに人がいなくなる」と、苦笑いを浮かべることもあるほどだ。

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