【Jリーグ】首位堅持。
ベガルタ仙台の快進撃は昨シーズンとどこが違うのか? (2ページ目)
それにしても、今年の仙台の攻撃力には驚かされるばかりである。
昨年までの仙台というと、堅守を武器にロースコアゲームをものにするという、手堅い試合運びが持ち味だったはずなのだ。ゲームキャプテンの関口訓充は言う。
「去年は(守備の)ブロックを組んでからのカウンターが中心だったけど、今年は前からプレッシャーをかけて(ボールを)奪えるようになっている」
引いてブロックを作れば、確かに守備は破綻しにくいが、ボールを奪う位置は低くなる。その点、今年は高い位置からプレッシャーをかけて外へ追い出し、サイドで一気に囲い込む守備が有効に機能している。実際、2点目のゴールは、一度奪われたボールを敵陣で奪い返したところから始まったものだ。
また、その2点目を決めた関口は、自身のゴールに対する意識も変わったという。
「去年はああいうところ(シュートチャンスにつながるスペース)へ入っていく回数が少なかった。(2点目のゴールは)ウィルソンがボールを持ったとき、少し遅れても絶対に中に入ってやろうと思った」
手倉森監督も「周りを信じて、前で絡もうとしている。点が取れるポジションに入ってきている」と、関口の変身ぶりに目を細める。
そんな関口に引っ張られるように、前線の4人(赤嶺真吾、ウィルソン、太田吉彰、関口)で、ここまで計10ゴールの荒稼ぎ。指揮官も、「アタッカーが点を取ると、また勢いが加速する」と満足そうに語る。
首位を守った仙台は、これで6試合を終えて5勝1分けと無敗。昨年も開幕から12試合無敗が続いたが、関口は「去年は、引き分けが多かったなかでの12戦負けなし(6勝6分け)だったから」と、その濃度の違いに確かな手応えを得ている。
雨中の激闘を制し、手倉森監督が力強く語る。
「今日は、勝ち点3プラス、たくましさが得られた試合だった」
もはや仙台は堅守速攻に活路を見出すだけのダークホースではない。指揮官の思惑通り、今シーズンの主導権は、間違いなく仙台が握っている。
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