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【アジア大会】宿敵・韓国に敗れても悲観不要 次期日本代表指揮官としてポジティブな要素を示した大岩剛監督の手腕 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Masaki Asada

「そういう部分では、試合(出場)を積んでいくこと、プレーを続けていくことが今のグループにいる選手たちに必要だと思うし、そこで勝利することがより自信につながって、おそらく成長スピードが上がる――という経験を(パリ五輪代表監督時代に)私自身している」

 今大会の登録メンバー23人のうち、出場機会がなかったのは第3GKの小林将天(松本山雅FC)のみ。それ以外は、全員がひとり2試合以上に出場している。実戦経験豊富とは言えないチームにあって、今大会が貴重な育成・強化の場となったことは間違いない。

 大岩監督も決勝戦を前に、「この大会で(最大試合数となる)6試合やれるっていうのは、大きな目的を果たせていると思う」とも語っている。

 だが、大岩監督にしてみれば、そうせざるを得ない側面があるのも確かだろう。

 というのも、現在の日本サッカー界では海外移籍の若年化が加速しており、20歳前後の五輪世代の選手は、いつ海外クラブへ移籍してしまうかわからない。そうなると、ロサンゼルスオリンピック本番やそのアジア予選において、思うように選手を招集できない可能性も生じてくる。

 つまり、A代表がワールドカップへ臨む過程のように、長期的にさまざまな選手を招集してふるいにかけ、段階的に中心メンバーを絞ってチームを固めていく、という作業はあまり意味を持たない。チームを固めた挙句、主力選手のほとんどが本番では招集できなかった、などということが起こり得るからだ。

 大岩監督いわく、「そのつど、集まれる選手が違うのがこの世代」なのである。

 もちろん、今回のアジア大会を振り返れば、登録メンバー全員が同じレベルで戦力になっていたわけではない。それぞれのパフォーマンスに差があったのは確かだ。

 たとえば、今大会で優勝した韓国は、5試合すべてに先発出場した選手が8人と、ほぼ固定したメンバーで戦い続けた(韓国はグループリーグが2試合だったため、決勝まで全5試合)。

 だが、それはアジア大会優勝だけを目標とした、刹那的なチームだから許されること。2年後を最大の目標に定めるチームにとっては、そんな選手起用はむしろ悪手になる。

 大岩監督は、そうした現実的な問題と向き合いながら、若い選手を、そしてチームをうまく前進させている。しかも、今年に入ってU-23アジアカップ優勝、アジア大会準優勝と、結果も残しながら、である。

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