サッカー日本代表のチュニジア戦勝利の立役者 上田綺世のストライカーとしての原点とは (2ページ目)
【「父親に認めてほしかった」】
過去の日本人ストライカーと比較しても、上田は異質な存在と言える。
柳沢敦、高原直泰のように足元の技術に優れ、鋭いターンでゴールを奪うような選手はいた。大迫勇也のようにエレガントな域まで高めたポストプレーで芸術的なゴールを決める選手や、岡崎慎司のように戦術的インテリジェンスと献身でゴールのスポットに入れる選手、大久保嘉人や玉田圭司のように機動力に優れ、自ら仕掛けてゴールを奪うような選手もいた。
しかし、単純なストライカーとしての剛胆さ、豪快さという点で上田は傑出している。前を向いたら、ほとんどどんなレンジからでも一発を狙える。ワールドカップ初得点はその一例で、ハンマーで叩くような重さである。相手がブロックに来ても、弾き飛ばすようなシュートをゴールラインまで飛ばした場面もあり(GKがライン上ギリギリで防いだ)、そのパワーは圧巻だ。
大久保が語っていたように、万能である。ヘディングでも高さと強さとうまさを見せていたし、味方との連係も出色で、ボールキープでも強さを見せている。相手を背負いながら、ほとんどボールを奪われない。相手とコンタクトしながらも体勢が崩れず、少しでも隙があったら、ターンしてゴールに向かう激しさだ。
これぞ、ディフェンスが畏怖するストライカーの肖像と言えるだろう。
2025-26シーズン、フェイエノールトの上田がオランダリーグで得点王に輝いたのは伊達ではない。ストライカーとしての覇気が匂い立つと言えばいいだろうか。それは生来的なものもあるだろうが、彼が時間をかけて身につけたものだ。
上田が法政大学の選手だったころのインタビューで、彼がこんな話を洩らしていたのを思い出す。
「(ストライカーだった)父親を超えたい、でやっていたと思います」
上田はサッカーの原点について、澄んだ目で振り返っていた。
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